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2000/01/30 (Sun) 言ったら負け

はぁ、はぁ・・・!

思い切り走り続けているので、息が詰まりそうだ。

・・・でも、今そんな事言っている場合じゃn・・・!・・・

・・・見つけた。

「一護・・・!」





「言ったら負け」





「・・・あんた、どうしたの?その傷。」
「これか?・・・まぁ、いつもの・・・」
「あんた、また喧嘩?いい加減にしなよ~、ほんとに。」
「・・・お前が言える台詞か、それ?」
「はぁ!?どういう意味よ、それ!」

それは、いつものあたしと一護のやりとり。
前の日に、どちらかが(売られた)喧嘩をした次の日、相手の傷を気にしつつも、結局は言い合いになる。


それは、いつものあたしと一護のやりとり。
少しいつもより傷が多い事を気にしたけど、いつもと変わらないあいつの顔を見て、今日もまた言い合いになる。
いつもと変わらないやりとり。


放課後、先に帰るあいつに「あまり安い買い物すんなよ!」と言い、「お前もな!」とあいつが返す。

そう、冗談交じりのいつもの変わらないあたしと一護のやりとり・・・のはずだった。


いつもと違う事に気づいたのは、あいつが帰り少し経って、階段の下から聞こえた男子生徒達の話を聞いた時。

「俺、友達(ダチ)と昨日帰り道にガラ悪い奴らに会ってさ~。」
「何だよ、いきなり。」
「まぁ、聞けって。ほら、隣の中学のガラ悪い連中いるじゃん?」
「あー!結構有名な連中だろ?」
「そうそう!それでさ、そいつら5、6人でうちの校門まで来てさ。丁度、帰る途中で校門通ってた俺達に話しかけてきたんだよ。」
「お、おい。マジかよ・・・お前、絡まれたのか?」
「違う、違う。聞かれたんだ、『有沢たつきはどこだ?呼んで来い。』って。」
「あ、有沢って空手の強い奴だろ?何でまた・・・」
「俺が知るかよ・・・。でも、そいつら、リベンジっぽかったから、有沢と何かあったんじゃねぇの?」
「・・・でも、相手は女だぜ。そんな男5、6人でリベンジって・・・」
「俺もそれは思ったんだけどさ~、言える訳ねぇじゃん。そしたらさ、そいつらに俺や今、お前が言った事を言った奴がいんだよ。『女相手に、男が大勢で卑怯だな、てめぇら。』って。」
「はぁ!?誰だよ!お前の友達(ダチ)か?」
「そんな訳ねぇだろ~。ほら、黒崎っているだろ?あのオレンジ色の頭の。」
「ああ、うちの中学じゃ有名だもんな。見るからにガラ悪そうだし。で、その黒崎がそう言って、黒崎の他は?」
「いや、1人だった。」
「はぁー!?1人で!?」
「そう。それで、そいつらそれにキレて、黒崎連れてどっか行っちゃってさ~。」
「・・・ど、どうなったんだろうな?」
「俺達が見に行けるかよ・・・。でも、今日、他の友達(ダチ)に聞いたんだけど、黒崎とそいつらがやり合っているのたまたま見たらしくてさ。」
「マジ!?それで、黒崎は?」
「今日、学校来てただろ?それが結果だよ。」
「・・・って事は・・・」
「怪我はしたけど、黒崎は無事。隣の中学の連中は皆倒れてたってさ。友達(ダチ)はその喧嘩の終わった所を見かけただけらしいけど。」
「わぁ~、黒崎こえぇ~。」


その後、男子生徒達が何を話していたかはわからない。

あたしは、そこまで聞いた所で、あいつを追って走っていた。


隣の中学の連中・・・
たぶん、この前にうちの生徒からカツアゲしようとしているのをたまたま見かけて、あたしが相手した奴だ。
結果はあたしの圧勝だった・・・けど、あの時は確か1人だったはず。

おそらくああいった系統の短絡的な考え‘1人でダメなら仲間何人連れてでも、負けた相手にリベンジしに・・・’という事で、あたしの所に来たんだろう。
その時に、たまたま一護がそれを聞いて・・・


・・・って事は、あいつのあの傷は全部昨日の喧嘩の傷で・・・
・・・あの傷は全部あたしのせいじゃないか。


・・・・・・くそ!
何で、こんな事に・・・
あたしが喧嘩の後に、何かむかつくような事をそいつに言った!?
っていうか、頼んでもないのに、何で一護の奴首突っ込んだ!?
何で、何で・・・こんな事に・・・


・・・駄目だ。
さっきの男子生徒達の会話で動揺してなのか、全力で走っているからなのか、思考が全然まとまらない。


はぁ、はぁ・・・!

思い切り走り続けているので、息が詰まりそうだ。

・・・でも、今そんな事言っている場合じゃn・・・!・・・

・・・見つけた。

「一護・・・!」


やっと見つけた一護に、あたしは大声で呼びかけた。

「・・・お、たつき。何だよ、そんな急いで来て・・・何か俺に言い忘れた事があったのか?」

全力で走ってきたあたしは、膝に手をつきながら呼吸を急いで整える。
そんな状態で下を向いていたあたしだけど、いつもと変わらない一護の声があたしの耳に届いた。


こんな時、何て言えばいい。
っていうか、何でこいつはこんな普通なんだ。


「何で、あたしに言わなかったの!!」
「・・・はぁ!?」

この言葉の選択が正しくないのは、すぐにわかっていた。
こんな事で言い合おうとなんて思ってないのに、頭の中がぐちゃぐちゃで止まらない。

「昨日の喧嘩の事、何であたしに言わない!その傷、本当はあたしが負うはずだった傷だろ!?あたしの喧嘩だったんだよ!何であんたが怪我してんだ!何で勝手に首突っ込んだ!頼んでねぇよ!ふざけんな!・・・何で、何で、いつもあんたは・・・!!」
「・・・・・わりぃ。だから泣かないでくれよ、たつき・・・」
「・・・!!」
「・・・とりあえず、そこら辺の座れる所行こうぜ。」


一護の言葉で、自分が知らないうちにボロボロ泣いていた事に気づく。

何なんだ、そんな柄じゃないだろ、あたしは。

頭の中がめちゃくちゃだ。
何言ってたか、全然わからない。
こんな事言いたかったんじゃない。
こんな泣きたかった訳でもない。

どうして・・・どうして・・・


「・・・腹が立ったんだよ。」
「え・・・」

近くで座り込んで、頭の中を整理している所、一護が口を開いた。

「お前が、つまらねぇ喧嘩なんか売る訳ねぇってわかってる。野郎が6人、その内の一人がお前の名前を言って『呼んで来い』って言ってたのを聞いた。それで、大体お前が何したかとか、大体想像がつくだろ?腹が立ったんだ。お前が強い、弱い関係なく、女一人にそんな大人数っていうのが。だから、そん時思った事を言ってやってだけなんだよ。」
「『女相手に、男が大勢で卑怯だな、てめぇら。』ってか?」
「・・・よくご存知で。」
「・・・だからって、そんな無茶なこt・・・」
「嫌なんだよ。誰かが傷つくのは、‘もう’・・・」
「あ・・・」


嬉しいという感情に似たものが芽生えかけた瞬間、最後の言葉であたしは自分の事より一護の方に意識がいく。


・・・一護は小さい頃から泣き虫だ。
いくら大きくなって、あたしの背を抜いても、
いくらあたしより強くなっても、
いくら眉間にしわを寄せて、怖そうな顔になっても、
・・・こいつが泣き虫だというイメージは変わらない。


眉間にさらにしわを寄せたこいつの顔は、一見怖さを増した様に見えるけど、
あたしには今にも泣きそうな顔にしか見えない。



「・・・その傷、大丈夫なの?」
「ん?ああ、楽勝。」
「・・・嘘つけ。」
「嘘じゃねぇって。」
「・・・何で、言わなかったの?」
「男はそういうもんなんだよ。・・・鈍感だな、お前は。」
「はぁ?何だそれ。」
「・・・もういいだろ。っていうか、もう落ち着いた?」
「・・・(コク)」
「おし。じゃあ、帰るぞ。」


落ち着いたのは間違っていないが、何だか子ども扱いされているようで少しむかつく。


こいつの並んで歩く帰り道。

・・・そうだ、あたしはこいつに結局何が言いたかったのだろう。


あたしのせいで怪我をさせて、「ごめん」?
結果的に助けてくれたって事だから、「ありがとう」?
考えが突っ走り気味なこいつに、「無茶はするな」?


・・・何だろう、これが正しいような気もするが、そうでない気も・・・

でも、無茶して自分で勝手に首突っ込んだんだよな。
あたしが知る事がなかったら、こいつずっと言わない気だったし。
それに、今回、妙に子ども扱いされた感じが・・・
何だかモヤモヤするし・・・むかつく・・・


「・・・一護。」
「ん?」
「・・・バーカ。」
「はぁ!?」


この言葉の選択が正しいとは思わない。

でも、気持ちの整理がつかない。


「ありがとう」?
「ごめん」?


その言葉は、今回何だか負けたように思えるし、

・・・悔しいから絶対に言ってやらない。










あとがき
『絶対に言ってやらない』企画、一護×たつきを再録。

私が書かせて頂いている一護とたつきちゃんの話の中では、いつも×傾向(カップリング)より+傾向(幼馴染、恋愛感情より友情感情)が強いのですが、この話は珍しく×傾向強めです。

幼馴染の関係は色々と妄想できますね・・・(←変態)



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