ずるい!ずるい!
あなたは・・・ずるい!
「あなたはずるい!」
「あぁ~!?もう1回言ってみろ、神楽っ!」
「1回なんて遠慮しなくても何度でも言ってやるネ!このままダラダラ何もしてない銀ちゃんの未来はずばり見えたって言ってんだ、コノヤロー!!」
「はぁー!?何どっかの占い師の決め台詞ちょっと引用してんだ!?著作権じゃねぇ!?これ著作権じゃねぇ!?」
「向こうはカタカナで、こちとら平仮名で言っとんじゃ、ボケ!!だいたいずばりなんて皆言ってるネ!この副詞が著作権になったら、世の中崩壊すんぞ、コラァー!!」
「何意味わかんねぇ事言ってんだ!何か言い合いの主旨変わってねぇ!?」
そう、最初は冗談なノリの言い合いだった。
給料が今月ないって・・・いつもないのに。
冗談が本気の言い合いに・・・
これに乗っかってくる銀ちゃんも大人げないが、
私がすごく子供なんだと思う。
そうして、私が銀ちゃんに当たっていると銀ちゃんが・・・
「こっちも仕事がないのに頑張ってんだ!そんなに俺が気に入らなかったら、ここから出てけ!!」
「え・・・」
そこまで言われるまで言うつもりはなかった。
今すぐ謝ろう、言い過ぎたと・・・
でも、素直に言えずに・・・
「ああ、出て行ってやるネ!銀ちゃんなんて、糖分とり過ぎでくたばっちまえばいいネ!!」
そんな言葉を言って、家を飛び出してしまった。
まだまだ私は子供なんだと思う。
走り疲れて、近くにあった公園のベンチに座る。
ちょっと落ち着いて考えれば、私に原因は多くあったのだ。
ここのところ、仕事がないのも知っていた。
そんな中、銀ちゃんが隠れて、仕事見つけに行ってたのもわかってた。
・・・たまにだけど。
暇なのに、イライラしてなのか、面倒なのか、口数が減る。
何だかそれが私は嫌だった。
話してほしかった。
構ってほしかった。
遊んでほしかった。
私が子供なんだと思う。
でも、あそこまで言わなくてもいいじゃないか。
グータラのくせに、やる気ゼロのくせして・・・
銀ちゃんのくせに・・・
銀ちゃんのくせに・・・
そうしていると、後ろから・・・
「あぁ~、やっと見つかった。」
「え・・・!!・・・銀ちゃん!?」
銀ちゃんが後ろに立っていた。
「探しに来てくれたアルカ?」
「・・・まぁな。酢昆布の匂いがしたからすぐわかったぜ。」
「な!!コノy・・・」
「さっきは悪かったな。言い過ぎたわ。」
「え・・・」
「・・・おら、帰るぞ。」
そう言って、銀ちゃんは私に手を差し伸べる。
こういう態度も見ると、銀ちゃんは大人で・・・私は子供なんだと思う。
素直に銀ちゃんの手を握りながら・・・
「・・・銀ちゃん、ごめんなさい・・・。」
「ん?おう、よく言えたな。給料は無理だが、酢昆布でも買ってやるよ。」
「・・・・・・」
子供扱いされて、何だか悔しい。
でも、構ってもらって嬉しい気分でもある。
今回も完璧に私の負け。
「・・・銀ちゃんはずるいネ・・・。」
悔しく、嬉しい今ではそんな言葉しか出なかった・・・。
ずるい!ずるい!
あなたは・・・ずるい!
あとがき
銀魂の企画物、『貴方はずるい』企画での銀時×神楽を再録。
私的な銀神は+傾向といいますか、親子(?)的な感じで、
いつも見ててほのぼのします。
神楽ちゃんはいつも何だかんだで銀さんに構ってほしいのだろうなぁと思っての作品でした。
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